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『ブラザーフッド』

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今の私にとって、<戦争>というものは実感できるものではないのですが、この映画を観はじめて数十分後、<戦場>にいるかのような感覚になりました。
爆破に次ぐ爆破。おびただしい火薬。爆風。ふっとぶ土、人間。。。
先日、カン・ジェギュ監督は爆薬のすごさに対する質問に、「これでも抑えました。本当の戦争はもっとすごいものです。」と答えていたのですが、とうてい、私には耐えられそうもありません。
爆発のたびに、カメラが揺れ、上下左右の区別がつかなくなるようなカンカクを視覚から受けました。ちょっと酔っているような感じがしました。
そのような、戦場のシーンが8割くらいを占めています。
そんな中で描かれているのは、家族への強い愛情です。
最後までみた私の感想は、この映画が「個人的な戦争」の映画だということでした。
誰のために戦っているのか。
何のためにたたかっているのか。
兄・ジンテのように、観ている自分もどんどんマヒしていく怖さを感じました。
大義名分、祖国統一のためにしている戦争に参加しているのは、ただの<個人>であり、それぞれの事情をかかえているのです。
かかえているのはわかるのですが、ラスト、ジンテのとった行動は、わたしの頭では理解しがたかったです。
そんなこと、あるわけがない。一体、どちらが味方でどちらが敵なのか。。。。

そもそも、この朝鮮戦争自体が、敵・味方のない戦いだったのかもしれません。
それを描いたカン・ジェギュ監督はやはりさすがだと思います。
そして、兄弟を演じたふたりの俳優のすばらしい演技力は特筆すべきだと思います。
「何気ない日常がどんなに大切なものなのかみなさんにわかってほしいです。」とチャン・ドンゴンさんが話していました。
辛い映画でした。


<TAEGUKGI>韓国公式サイト

『ブラザーフッド』 ジャパンプレミア潜入レポート!

by mgarden5923 | 2004-06-24 22:16 |